【不動産コラム】認知症など”万が一”に備える「民事信託」


認知症など”万が一”に備える「民事信託」

▶高齢化社会と財産管理問題

厚生労働省発表の資料によると、2017年の“平均寿命”が男性:81.09歳、女性:87.26歳でした。しかし、健康的な日常を送れる期間“健康寿命”は男性:72.14歳、女性74.79歳となっており、健康でない期間が男性は8.95年間、女性は12.47年間もあるということになります。

健康寿命を迎えると医療や介護を頼る機会が増え、自立した生活を送ることが難しくなるうえ、認知症の問題もでてきます。日本の高齢者(65歳以上)のうち462万人(2012年時点)が認知症と診断されており、またその予備軍とされる軽度認知障害の人口数は推定400万人と言われています。合わせて862万人、高齢者の4人に1人は認知症ということになります。(厚生労働省資料より)

2025年には認知症患者が更に増え、3人に1人が認知症であると推測されています。万が一、認知症になってしまうと、正確な意思表示ができなくなる可能性があり、財産管理において様々な問題点が浮上します。

▶気をつけたい「民事信託ビジネス」

認知症対策として今最も有効な手段とされている“民事信託”を用いた手法が増加しています。

親〈委託者〉が子〈受託者〉に財産の管理や運用・処分を任せる信託契約をすることで、子〈受託者〉が親〈委託者〉に代わり、契約行為等ができるようになるというシステムです。所謂、“家族信託”と呼ばれているものです。これにより、親〈委託者〉に代わり子〈受託者〉が賃貸借契約や、所有する土地の活用、建物の修繕の際に金融機関からお金を借りるなどの様々な“契約行為”を行うことができるようになります。

しかし、認知症対策・相続対策として“民事信託”を用いたビジネスプレイヤーが増え、財産全体の把握や家族関係、本人の希望を十分に理解せず、必要のない信託や間違った信託等の安易な信託設計も増えています。このような“民事信託ビジネス”にはご注意いただきたいと思います。

更に、信託契約の内容は一般の方にはすべてを理解するのが難しく、信託契約書を作成したビジネスプレイヤーがいなければその後の対応が困難になる点も大きな特徴で気をつけなければなりません。

また、民事信託では受託者に「身上監護(入院や施設入所手続き)」を行う権利をつけられない為、お子様のいないご夫婦や、身寄りのない方が信託する場合には「身上監護」についても考慮する必要があります。

▶「全体最適」を目指し親としての気持ちを大切に

“民事信託”を検討する際、親が子に全てを任せるという判断をするのはなかなか難しいのが現状です。親としての威厳や自分にはまだ早いという思い、子に金銭を託すと散財するのではという不安など様々な理由でためらう方も多くいらっしゃいます。

“民事信託”は認知症対策・相続対策としては有効ではありますが、家族関係や財産目録、親〈委託者〉の気持ちを総合的に判断し、妥協をしない“全体最適”を考え、信託設計をすることが大切なポイントとなります。

信託設計においては、財産全体の分析を細かく行った上で、親〈委託者〉・子〈受託者〉のお気持ちと要望を踏まえ、長期的な問題点を洗い出し、フォローを継続させられるパートナーを選ぶことが大切なのです。

※「2019 秋号 OWNERʼ S STYLE」より一部抜粋

#不動産相談 #不動産コラム

©2018 Sezonhouse Co.,Ltd.

〒337-0051 埼玉県さいたま市見沼区東大宮5丁目10-10​TEL: 048-680-3377   FAX: 048-680-3378

​コーポレートサイト

リースバック専用サイト

売買・賃貸・物件情報サイト

不動産買取・売却専用サイト