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【不動産コラム】定義、告知義務、告知期間…国交省「事故物件」ガイドライン案の3大ポイント

更新日:9月9日




所有物件内で入居者が亡くなって「事故物件」となると、入居者が集まりづらくなるために家賃を大幅に下げて募集せざるを得なくなるケースも多く、経営へのダメージは甚大です。


しかし今回、国土交通省から賃貸経営者の皆さまにとって「朗報」ともいえる発表がありました。「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」によって何が変わるのでしょうか。




曖昧だった告知ルールに指針



特定の状況で人が亡くなった物件は、瑕疵担保責任における「心理的瑕疵」があるとされ、部屋を借りようとする人に対してその旨を告知することが求められます。しかし、「自殺や殺人があった物件」がそれに該当するのは明らかとしても、それ以外のケースについてはこれまで明確な基準が存在しませんでした。


そのため、時には死因が病死や転倒事故であっても「告知事項あり」で募集されるケースが散見されました。これは管理会社や賃貸経営者が、後から損害賠償請求されるのを避けるべく個々に判断したものです。


しかし、病気や老衰で亡くなるのは人間として自然なことであり、こうした死亡まで事故物件として扱ってしまえば、賃貸経営者にとって大きな不利益となりかねません。そこで今回、国交省はガイドライン案を打ち出し、告知すべき死亡の状況と告知を継続する期間について指針を示したのです。




ガイドライン案の3つの主要ポイント



1:老衰、病死など「自然死」は告知義務なし

老衰、持病による病死などのいわゆる自然死については、心理的瑕疵に該当せず告知義務がないと明記されました。また、自然死には自宅の階段からの転落や、入浴中の転倒事故、食事中の誤嚥など、日常生活の中で生じた不慮の事故も含まれるとされています。



2:特殊清掃を要する死亡は自殺等と同様に告知義務あり


ただし、1のような自然死であっても、発見の遅れによる遺体損傷等の理由で「特殊清掃」が行なわれた場合は告知義務があるとされました。臭いや虫の発生した死亡事故は、たとえ特殊清掃やリフォームを行なっても、契約するか否かの判断に重大な影響を与えると考えられるためです。なお、殺人や自殺、事故死、死因が明らかでない場合等は、従来の判断と同様に心理的瑕疵に該当するとして要告知とされています。


3:事故物件の告知義務は「概ね3年間」と明記

今回のガイドライン案で画期的だったのは、事故の告知義務の期間が概ね3年間と明記された点です。過去のネガティブな情報がいつまでもインターネット上に残ってしまう現代において、3年で告知義務から解放されるという価値は非常に大きいと言えるでしょう。ただし、こちらは賃貸での取引のみが対象であり、売買では何年前の事故であっても告知が必要です。





高齢者入居のリスク低減、空室対策に



告知期間の件だけでなく、特に「自然死」の扱いについては、うれしい方が多いのではないでしょうか。自宅内での死亡の9割は老衰や病死などの自然死という統計もあります。このガイドラインに従えば、ほとんどの室内死亡事故が「心理的瑕疵」に該当しないことになります。


また、事故物件化のリスクが減ることは、特に高齢者の受け入れをしやすくなることに繋がります。早期発見さえできれば事故物件とならないわけですから、従来の「高齢者入居=事故物件化リスク」という考え方は改めていく必要がありそうです。超高齢化社会において、これからさらに増加が見込まれる高齢者の住まいニーズに応えることは、社会貢献となると同時に強力な空室対策ともなるでしょう。




今回のガイドライン案はパブリックコメントを加味したうえで、秋ごろには正式に公表されるとのこと。ターゲット拡大を考えている方はもちろん、賃貸経営者の皆さまはしっかりとこの件にアンテナを立てておきましょう。








記事の投稿者  

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