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【不動産コラム】節税効果だけじゃない! スムーズな相続につながる生命保険の非課税枠活用方法

更新日:9月9日




不動産や預金、金融商品などの財産が一定規模以上の場合、相続税の対象となります。投資用不動産という大きな財産を持つ賃貸経営者としては、その相続税対策が悩みの種ですね。「家族にできるだけ多くの財産を残したい」「相続の煩わしさがないようにしてあげたい」そんなとき検討したいのが生命保険の活用です。




「法定相続人×500万円」の相続税非課税枠の計算方法



【質問】父親であるAが死亡し、妻のBに生命保険金2000万円が支払われました。AとBにはCとDという2人の子がいます。この場合、Bが受け取った保険金にはどのように相続税がかかりますか?


ここで押さえておきたいのは、生命保険金には相続税の「非課税枠」が用意されている点です。保険料の全部または一部を被相続人が負担していた生命保険の保険金は、相続税の課税対象とされる一方で、受取人が法定相続人であれば一定額まで非課税とされるのです。非課税枠は次の計算式で算出されます。


非課税枠=500万円✖法廷相続人の数(※)

要件1▶被相続人が被保険者であり<br> 契約者(保険料負担者)である生命保険

要件2▶保険金の受取人が法定相続人


(※)相続放棄者や相続欠格・廃除者は除く。養子は、実子がいる場合は1名まで、実子がいない場合は2名まで法定相続人に含めることが可能。



この一家の場合、法定相続人は妻B、子C・Dの計3名。つまり500万円×3名=1500万円が非課税の扱いとなり、Bの受け取った保険金2000万円は500万円のみが課税対象となります。現金であれば2000万円まるごとが課税対象となるところ、生命保険を活用したことで大きな節税になったのです。





「受取人固有の財産」のメリット・デメリットを知る


ところで、生命保険金は、厳密には相続財産ではなく「みなし相続財産」であることはご存じでしょうか。本来、生命保険金は契約に基づいて受取人が受け取る「受取人固有の財産」と考えられます。あくまで「税務上は相続財産」であるだけで、原則としては遺産分割協議の対象にもならない「受取人の財産」なのです。


これはつまり、受取人(相続人)は遺産分割協議を待たずとも、すぐに生命保険金を使用できることを意味します。審査で問題がなければ、保険会社への申請から5営業日ほどで保険金が振り込まれ、受取人はこのお金を葬式代などに充てることが可能となります。


相続財産が預金や不動産であれば、たとえ相続人であっても、分割協議前にそれを使用することは容易ではありません。2019年7月の法改正から相続人が一定額まで被相続人の預貯金の仮払いを受けられる預貯金仮払い制度が始まってはいるものの、何かと慌ただしく物入りな相続発生直後にスムーズに対応できる生命保険金は、残された家族にとって心強い味方となるのです。





ただし、活用にあたっては注意点もあります。それは、各相続人に対する保険金の設定額です。先述の質問ではBだけが2000万円を受け取りましたが、これをC・Dに分け与えて相続金額を調整しようとすると、ここには新たに税金が発生します。保険金という「固有の財産」を他者に分け与えることになるため、分与によって贈与税が発生してしまうのです。


ただでさえ、賃貸経営者には分割の難しい「不動産」という財産があります。公平分割のための調整の余地を残しておかないと、このような生命保険金での調整も発生しかねません。節税目的での生命保険で別の税金が発生してしまっては本末転倒です。節税に有効な生命保険だからこそ、その活用の際には相続財産全体について計画を立て、適切な保険金額・受取人の設定を行ない、円満な相続を実現しましょう。





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埼玉県さいたま市見沼区東大宮の不動産会社 株式会社セゾンハウス https://www.sezonhouse.co.jp TEL:048-680-3377