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【不動産コラム】安心・安全な賃貸経営のために。ついに施行「賃貸住宅管理業法」の主要ポイント

更新日:9月9日




良好な居住環境の確保を図るべく2020年6月に可決成立した「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(以下、賃貸住宅管理業法)が、今年の6月15日からいよいよ施行に。これまで賃貸管理業界には規制がなかっただけに、今回の法制化はまさに歴史の転換点。賃貸管理の品質向上が期待される今、賃貸経営者として同法のポイントを押さえておきましょう。




ポイント1 管理戸数200戸以上に登録義務


まず知っておきたいポイントは、賃貸管理業者の「登録制度」。同法の施行により、賃貸住宅管理業を営む者で200戸以上の賃貸住宅を管理する場合には、国土交通大臣の登録を受けることが義務となりました。


ここで言う賃貸住宅管理業とは「賃貸住宅の維持保全」または、これと併せて「金銭の管理」を行なうことを指します。つまり、賃貸経営者から委託された賃貸住宅について「点検・清掃」「必要な修繕」等を継続して行なう(または発注する)会社、あるいは、維持保全と併せて「家賃や敷金の管理」を行なう会社が賃貸住宅管理業者となり、その管理規模が200戸以上となると登録対象となるわけです。


登録の猶予期間は2022年6月15日までの一年間。上述の登録条件を満たしながら未登録のまま業務を行なうと違法となり、罰則の対象となります。





ポイント2 最低1人「業務管理者」の配置義務付け


もう一つ押さえたいのが、管理業務の適正な運営と貸主・借主の利益保護を図ることを目的とする「業務管理者」の配置を義務付けた「業務規制」です。業務管理者とは、いわば賃貸管理の責任者のことで、宅建業法が事務所ごとの専任の宅地建物取引士の設置を義務付けているのと同様、賃貸住宅管理業法は営業所・事務所ごとに業務管理者を1人以上置くことを義務付けました。


業務管理者となれるのは現在のところ、講習を受けた「賃貸不動産経営管理士」または「宅地建物取引士」、あるいは十分な知識と能力を有すると登録試験で証明された者のみで、賃貸不動産経営管理士以外には2年以上の管理実務経験も求められます。


なお、賃貸不動産経営管理士は、今年4月に国家資格へと昇格。賃貸管理の専門性を示す重要資格として今後ますます注目が集まりそうです。





ポイント3 賃貸管理会社に多数の義務「業務規制」


そのほかにも賃貸管理業を営む者には、制度への登録の如何にかかわらず、2021年6月15日から「業務規制」として以下のようなルールが課されます。



【賃貸管理会社に課される主要義務】


1.重要事項説明および説明書と契約書の別途交付

2.名義貸し・再委託の禁止

3.家賃等の口座の分別管理

4.賃貸経営者への定期報告



1.重要事項説明および説明書と契約書の別途交付


従来は管理委託にあたって特段のルールはありませんでしたが、新法では「重要事項説明書」の交付と説明、「契約締結時書面」の交付が義務化されました。なお、重要事項説明書と契約書とは一体で交付できず、説明を受けた賃貸経営者が契約の可否を判断するための1週間程度の検討期間の確保も推奨されています。電話やメールでの重説は認められませんが、IT重説は可能です。




2.名義貸し・再委託の禁止


賃貸管理の品質を維持し、責任の所在を明らかにするためにも、賃貸管理会社は業務の「すべて」の再委託や名義貸しが禁止されます。管理を任せたはずの会社が実務を一括で別の会社に丸投げしていた、といったトラブルを防止します。




3.家賃等の口座の分別管理


会社のお金と賃貸経営者のお金とを明確に分けて管理することも義務付けられました。新法下では、賃貸管理会社は業務で受領する敷金・家賃・共益費等の金銭と自社財産とを、原則として口座も帳簿も分けて管理することになります。賃貸管理会社の資金に賃貸経営者の財産が流用されてしまうようなトラブルを防ぎます。




4.賃貸経営者への定期報告


新法施行後は、金銭の収受状況や物件・入居者の管理状況などが、賃貸管理会社から年1回以上の頻度で報告されるようになります。口頭での報告は認められておらず、必ず書面またはメール等での報告となります。


新法施行により、賃貸住宅管理業者には上記以外にもさまざまなルールが課されることになります。もちろん業者にとっては負担ですが、それだけ賃貸管理業の信頼性が担保され、より安全な取引が実現することになります。



一方で、これからは賃貸経営者が、数ある登録業者の中から優良事業者を見極める「判断力」が求められる時代になるとも言えます。国土交通省からは「賃貸住宅管理業法 制度概要ハンドブック」という資料も公開されていますので、きちんと目を通し、最良のパートナーと経営をしていけるよう知識を身に付けておきましょう。


賃貸住宅管理業法 制度概要ハンドブック 

https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001404844.pdf





Q.重説は今後「業務管理者」から受けることになりますか?

A.必ずしも業務管理者が重説をするわけではありません。ただし、「一定の実務経験を有する者など専門的な知識及び経験を有する者」による説明が推奨されています。



Q.重説を聞くのは必ず契約者本人でなければなりませんか?

A.契約者の意志による代理人であれば、その方(たとえばご親族など)が重説を聞くことで足ります。代理人を立てる際は「委任状」等によって代理権を付与してください。



Q.相続や売却で契約者が変わっても、契約内容が同じなら重説・契約書は不要ですか?

A.同内容の管理契約でも、新たな賃貸経営者には遅滞なく、重説の実施・契約書の交付がなされます。必ず説明・書面の交付を受けましょう。






記事の投稿者  

埼玉県さいたま市見沼区東大宮の不動産会社 株式会社セゾンハウス https://www.sezonhouse.co.jp TEL:048-680-3377