こんにちは、セゾンハウス資産管理部です。
賃貸経営において、退去時の「原状回復」は最もトラブルが起きやすく、かつ収益性に直結する重要な局面です。最近ではSNSの影響もあり、入居者側も「ガイドラインに則っていますか?」と知識を持って立ち会いに臨むケースが増えています。
そこで今回は、オーナー様が一方的に損をせず、かつ法的に守られた経営を行うために押さえておくべきポイントを「5つ」にまとめました。
1. 原状回復の鉄則:費用負担の区分け
ガイドラインの基本原則は、【経年劣化、通常損耗】は、オーナー負担です。
原状回復とは「借りた当時の状態に100%戻すこと」ではなく、借主の不注意で壊した分を直してもらうこと、つまり【善管注意義務違反 故意・過失】を負担してもらうことを指します。(出典:国土交通省『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』平成23年版より)

(再改訂版)より」
2. 「クリーニング費用特約」を無効にしないための3条件
ガイドラインでは、次の入居者のための清掃は原則オーナー負担とされています。しかし、実務上は「特約」で借主負担とするのが一般的です。この特約を裁判などで「無効」にされないためには、以下の法的3要件が必須です。
- 具体的であること: 金額(例:50,000円)や、算出根拠(例:〇〇円/㎡)が明記されている。
- 借主が理解していること: 「通常の清掃範囲を超える負担であること」を契約時に明確に説明している。
- 借主が同意していること: 契約書や重要事項説明書に署名・捺印がある。
NG例: 「退去時の清掃費用は借主の負担とする」という曖昧な表現。
OK例: 「退去時のハウスクリーニング代として金55,000円(税込)を借主が負担するものとする。これは通常損耗の清掃を含むものとする。」
3. ハウスクリーニングに「減価償却」はない
壁紙(クロス)などは6年で残存価値が1円になるという耐用年数の考えがありますが、ハウスクリーニング(清掃作業)には減価償却が適用されません。1年で退去しても10年で退去しても、特約で定めた金額の全額を請求することが可能です。
4. トラブルを未然に防ぐ「現場のアドバイス」
入居者の納得感を高め、スムーズな退去立ち会いを行うためには、入口(契約時)の説明がすべてです。例えば、仲介・管理会社から以下のような一言を添えるのが効果的です。
「本来、ガイドラインではオーナー負担ですが、本契約ではその分月々の賃料を抑える代わりに、出口の清掃費だけ固定でご負担いただく契約になっています」
このように『経済的合理性(賃料との調整)』を説明するだけで、借主の納得感は格段に高まります。
5.ガイドラインの「正体」を知る
ガイドラインは民法のように直接的な強制力を持つものではなく、あくまで「妥当と考えられる指針」です。あまりに暴利でない限り、『双方が納得して契約した内容』は尊重されます。SNSでささやかれる『ガイドラインと言えば安くなる』という魔法の言葉も、正しく作成された契約書の前では通用しません。
まとめ:慎重な契約書作成が満室経営の鍵
セゾンハウスでは、ガイドラインに基づきつつ、オーナー様の利益を守るために負担区分を明確に記載した契約書類を使用しています。「弊社はガイドラインに則り、かつ契約時にご納得いただいた内容で運用しております」と自信を持って答えられる体制が、トラブルを未然に防ぎます。
オーナー様の心配事を一つでも減らし、安定した賃貸経営をサポートできるよう、今後も業務改善に努めてまいります。賃貸管理や契約内容の見直しについてご不安なことはありませんか?ぜひセゾンハウスへご相談ください。
セゾンハウス資産管理部 T・M

