質問に素早く流暢な文章で回答してくれる「チャットAI」のニュースを目にする機会が多くなりました。世の中が便利になる、人間の仕事が奪われる、とポジティブにもネガティブにも語られるAIですが、賃貸経営にも活用の道はあるでしょうか。

魅力は「知りたいことがすぐ分かる」

対話型人工知能、いわゆる”チャットAI”のざっくりとした仕組みは、「質問された内容についてWEBで検索し、その結果を一つの文章にまとめて回答する」というものです。「自分がインターネットで調べ物をするのと変わらないのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、AIは人間の何倍もの速さでネットの情報を収集・分析し、それを一瞬で出力できるのがポイントです。

チャットAIの活用パターンは大きく3つです。

  1. より精度の高いWEB検索をさせる
  2. 文章作成や要約、計算などの雑務を任せる
  3. 詳しく知りたいことを端的に教えてもらう

百聞は一見に如かず。さっそくチャットAIに質問してみましょう。

無料で実感できるチャットAIの実力

さまざまな企業が開発を進めるチャットAIですが、中でも注目を集めるのがOpenAI社の「ChatGPT」です。その最新版GPT-4を利用するには有料プランを契約する必要がありますが、気軽にAIの力を確かめたいなら、同じGPT-4が組み込まれているMicrosoft社の「Bing AI」が便利です。こちらはアカウントを作成するだけで、誰でも無料で利用可能(※)。今回はBing AIに、上述の①WEB検索と②文章作成を任せてみます。※2023年6月1日現在


こちらがAIの回答例です。唐突に「順位」が登場しますが、おそらく全国賃貸住宅新聞の「人気設備ランキング」の載ったサイトを参考に回答したのでしょう。AIが素早くWEB検索を行ない、重要ポイントだけを切り取ってきたことが分かります。

質問に「マンション」と記述したため「管理規約」など想定外の文言も登場しますが、少し手直しするだけですぐに使えそうな注意文が作成されました。このようにチャットAIは、質問内のわずかなヒントから意向を汲み取り、求める答えに近い回答をする能力を備えているのです。

発展途上のAI、今から慣れて将来に活用

チャットAIは上述のような優れた性能を備える反面、現状ではまだまだ不自然な回答・誤った回答も多く、ある程度は人間が手直しをしたり、情報の正確さを確認する必要があります。正確性が求められるときは、AIの回答は参考程度にするのがいいでしょう。

しかし、それも「現状では」の話。3年後、5年後にはさらに回答精度が高くなり、上手く使いこなせば事務作業の効率化はもちろん、AIが賃貸経営の指針となるような回答をしてくれる日も来るかもしれません。AIの進化は日進月歩、今のうちから「遊ぶ」くらいのつもりでAIの操作に慣れておくと良さそうです。

※AIは常に学習と出力内容の修正を行なっているため、同じ質問をしても回答が同じとは限りません。