弊社は「相続・コンサルティング」に力を入れていますが、今回はその少し手前のテーマ、「事業承継」に ついてお話しします。

賃貸事業を投資の一環として捉えているオーナー様は、出口戦略を見据えて事業を進められています。一方で、いわゆる大家業をなりわいとしてきた方々は、賃貸事業を生活の一部として捉えていらっしゃることが多いのではないでしょうか。

先日、賃貸物件の売却についてご相談をいただきました。そのオーナー様は自主管理のアパートを数棟所有されていますが、ご自身の高齢化を機に、娘さんや息子さんへ引き継ぎを打診したところ、あっさり断られてしまったそうです。

いずれのアパートも築年相応の劣化があり、若い世代から見れば魅力を感じにくい事業だったのかもしれません。生活の一部であったアパートを手放す決意をされたオーナー様は、どこか元気を失っているように見えました。

一方、同じく築古物件を所有する別のオーナー様は、日頃から丁寧にメンテナンスを行い、外壁をリニューアルしたり、住居をサロンなど別用途に貸し出したりと、工夫を重ねながら事業を続けてこられました。それでも息子さんは、サラリーマンから賃貸事業に転身することに抵抗があったようです。

しかし、リノベーションに励む父の姿や、「このマンションのおかけで私たちは生活ができたのよ」という母の言葉に心を動かされ、ついに覚悟を決められたとのこと。今ではご両親に代わり、立派に賃貸経営に取り組まれています。若い感覚が入ることで、物件にも新しい風が吹いたようでもあります。

弊社ができることは、事業承継を迎えるずっと前の段階からオーナー様に寄り添い、次の世代にも魅力を感じていただける資産価値をオーナー様とともに築いていくことです。しかしそれ以上に大切なのは、「家族間のコミュニケーション」ではないでしょうか。