AIやコンピューターに「顔」で個人を識別させ、本人認証を行なう「顔認証」システム。近年はスマートフォンやPCのロック解除手段として普及してきたほか、商業施設の入退店管理などにも採用されるようになり、日常の中で顔認証に触れる機会も増えてきました。

そして、いよいよその技術は「住まい」領域へ。顔認証による解錠機能を備えた”スマートドア”や、共用玄関に顔認証セキュリティを採用した集合住宅の企画は、すでに現実に登場し始めています。賃貸住宅に顔認証が採用される世界を少しだけ想像してみましょう。

鍵から解放される魅力

賃貸住宅への顔認証採用によってまず叶うのは、「鍵」というものを意識せずに済む、近未来的で便利な生活の提供です。入居者は鍵を持つ必要も、何かに触れる必要もなく、ただセンサーに顔を認識させるだけで共用エントランスや玄関ドアを解錠できるようになります。もちろん似たような機能は、スマートフォンで鍵を操作する現行のスマートロックでも叶えられますが、スマートフォンの携帯すら必要ない顔認証が普及すれば、さらに便利で安心になります。

内見の効率化

顔が鍵の代わりになるなら、内見時における仲介業者との鍵のやりとりも不要になります。馴染みの不動産会社担当者の顔を登録したら、あとは内見の日に合わせてPCなどから解錠許可を設定するだけ。自主管理の方はもちろん、管理会社にも嬉しい機能です。

セキュリティ向上

本人の顔でないと解錠できないとなれば、鍵の紛失・盗難に伴う”なりすまし侵入“のリスクも大幅に減らせます。運用によっては、ストーカー等の特定人物を検知したら自動で緊急連絡を行なう、といったセキュリティの仕組みも構築できるでしょう。いずれは、警察や行政とデータベースを共有するサービスが登場し、指名手配犯の入居を顔認証が防いでくれる…、そんな未来も来るかもしれません!