こんにちは、セゾンハウス資産管理部です。
12月に入り本格的な寒波がやってきました。
気温が急激に下がると増える事故が給水管の凍結や破裂です。
特にアパートでは、「空室がある」「屋外配管になっている」「築年数が経過している」
といった条件が重なるとトラブルのリスクが高まります。
給水管が凍結すると、断水・漏水・階下への水漏れにつながります。
こうなると、給水管の修繕費だけではなく、
入居者対応の費用や内装修繕費が発生することもあります。
だからこそ、事前の予防対策と計画的な設備更新が必要になります。
給湯管凍結が起きやすいアパートには以下のような特徴があります。
・アパートの北側に露出した給水管がある。
物件北側に風よけがなく、給水管に直接に寒気が当たる構造のアパートは要注意です。
・空室期間が長く、水を全く使っていない部屋がある。
給水管の水抜きは万全ですか。
・築年が30年以上で配管の更新工事なされていない。(予定がない。)
配管の定期的な劣化診断を行っていない物件は、突然に凍結・破裂事故が発生することがあります。
去年までは事故がなかったアパートこそ、今年は事故発生の確率が高いです。
給水配管の事故は突然に起きるものです。
実際に、昨年の冬、築25年のアパートで給水管の凍結事故が発生しました。
一気に冬型の気圧配置となり、寒波到来予報が出た日でした。
夜中に、冷たい外気にさらされた二階の給湯器の給水管が凍結し、破裂してしまいました。
翌朝には、入居者からは、次々と「水が出ない!」との連絡が入りました。
慌てて現場へ向かうと、共用廊下の給湯器の給水管から水が吹き出し、
辺り一面が水浸しとなっていました。加えて、一階の共用部まで水が流れていました。
大至急、給水管の復旧工事を行い、一日で完了しました。
また、水が出なくなってしまったので、入居者へペットボトルの配布も行いました。
そのうえ、階下漏水が発生したため、階下共用部の修繕費用も発生しました。

結果的に、突発的に起こった給湯器給水管の凍結事故のオーナー様の費用負担は、
想定を超えて大きなものとなってしまいました。
また、入居者の物件に対する満足度も低くなってしまいました。
以前から、このアパートは、給水管の保温材が経年による劣化が進み、
ボロボロになっていました。
そのため、事故が発生する前には、オーナー様へ、
【露出配管の保温材の更新】のご提案を行っておりましたが、
「まだ使えるし、修理は必要になったときでいいよ。」
という判断で、先送りになっていたのです。
後日談ですが、オーナー様は「いずれやらなければならない工事だったね。
先にやっておけば、こんなに大事故にならず、費用も安く済んだね。」
と振り返っていらっしゃいました。
そして、この事故の後は、ご所有のアパートの
すべての給水管保温工事を実施されました。
当分は同じような事故はおこらないでしょう。
凍結リスクに対しては、安心が約束されました。
さて、セゾンハウスで提案を行っている
【日頃からできる凍結予防対策】をいくつか挙げてみます。
まず、設備面での対策についてお話します。
一つ目は、給湯・給水管の保温対策です。
「保温材が劣化していないか」「露出部分が十分に覆われているか」を確認してください。
築年数が経過している物件ほど、保温材の更新が効果的です。
次は、凍結防止ヒーターの設置・作動確認です。
寒冷地や凍結リスクの高い立地では、配管用凍結防止ヒーターの設置が効果的です。
電源が入っているか。断線していないかを寒くなる前に確認してください。
加えて、給湯器本体の耐用年数を把握してください。
給湯器は一般的に10年経過後が交換の目安です。
経年劣化した給湯器は凍結による故障リスクが高くなります。
計画的な更新が、結果的には修繕費の抑制につながります。
次に、管理面での対策についてお話します。
まずは、給湯器や給水管の点検をルーティン化することです。
内容としては、以下の点が挙げられます。
①給湯器の年式確認
②凍結防止ヒーターの動作確認
③保温材の破損・劣化確認
これらを毎年秋から始めることで凍結トラブルを未然に防ぐことができます。
さらに、入居者へ、給湯器凍結を防ぐために行っていただきたい内容を案内することです。
案内する項目としては、低温注意報が出た際には、
一晩でコップ1杯程度のごくわずかの水を流し続けること。
冬の長期不在の際は、給湯器給水管の水抜きを行い、
部屋の電気ブレーカーを落とさないようにすることなどです。
給湯器には凍結防止機能が付帯されていますが、
部屋の電源が落とされているとこれが機能しません。
こういった内容を、契約時や更新時に入居者に案内することで、
突発的な凍結リスクがかなり軽減でき、安心で快適な住み心地が約束され、
入居者満足度の向上につながります。
計画的な設備更新というと「お金がかかる」「すぐには回収できない」
と思われがちですが、
「トラブルを未然に防止する」「出費を抑える」加えて
「入居者満足度が上がる」といった相乗効果も生まれます。
特に、築年数が経った物件では、配管・給湯器などの
目に見えにくい部分の劣化が進んでおり、
トラブル発生後の修繕よりも、計画的な設備更新工事により、
リスクヘッジを講じたほうが経営を安定させるケースが多いものです。
セゾンハウスでは、凍結リスクを軽減するために、入退去時や物件の定期巡回時に、
給湯器の年式確認や給水管保温材状態の確認作業を行っております。
そのうえで、年数や劣化状態により更新工事のご提案を行っています。
その他にも、定期巡回時には建物の目視点検を行っており、
修繕計画のご相談も行っております。
アパートの設備更新にご不安があるオーナー様や、
そろそろ修繕計画をご検討中のオーナー様は、どうぞお気軽にご相談ください。
セゾンハウス資産管理部 K・H

