入居の決め手となる要素の一つが”水回り”。キッチンやお風呂はもちろんですが、今回は日本人が1日に約14分、年間では85時間も過ごすといわれる「トイレ」の差別化を考えてみましょう。

独立空間だけに印象に残る見た目で差別化

トイレは「清潔感」が最優先なことに加えて、空間の小ささや予算の都合もあり、賃貸住宅のトイレはつい”最低限””無難”なデザインにおさまりがちです。結果としてアピール要素ゼロの空間となり、ともすると”寒々しい””貧相”といったマイナスイメージに繋がることも。しかしトイレは、狭く独立した空間だからこそ、他のお部屋との兼ね合いなどを気にせずに、その空間だけで完結する大胆かつ効率的な空室対策も可能になるものです。

印象をがらりと変えるなら、まずは壁紙と床材から。壁の一面だけを攻めた柄や色のアクセントクロスに、腰壁のように上下で2色に分けるツートンカラーに、床をチェッカー柄等の個性的な床材になど、大胆なデザインのポイントを設けることで競合物件とは一味違った印象を内見者に与えることができます。

小物や収納などで実用性も追求

また、忘れてはいけないのが実用性。快適空間を目指すなら、温水洗浄便座の採用はもちろんのこと、小物を置けるような棚や、トイレットペーパーや清掃用具をしまえる収納の新設も検討するべきです。

ちなみに、思った以上に選定が難しいのがペーパーホルダー。安さで選ぶと、せっかく改装したトイレでホルダーだけがチープに浮いてしまい、デザインにこだわりすぎて使い勝手が悪いと、入居者のストレスになります。目指すは、デザイン性と実用性の適度なバランス。昨今は、新聞に取って代わったトイレのお供、スマートフォンを置けるスペースのついたペーパーホルダーが人気です。