毎年恒例、全国賃貸住宅新聞社の「人気設備ランキング」が発表されました。お部屋づくりで大切なのは、ターゲットとなる入居者の動向を先取りし、集客効果の高い設備を導入すること。今後の空室対策に取り入れたい旬な入居者ニーズを探っていきましょう。

「周辺相場より家賃が高くても決まる」「この設備がなければ決まらない」ランキング

すでにライフラインのひとつ インターネットは環境面で差別化

数ある人気設備の中で、今年も注目を集めたのはインターネット設備でした。8年連続の1位に輝いた「インターネット無料」に加え、昨年から項目に加わった「高速インターネット」もランクアップ。快適なインターネット環境を手軽に、かつ手ごろな値段で求める入居者ニーズがいっそう高まっていることが分かります。

その背景にあるのは、加速する人々のインターネット依存です。例えば、テレビを所有せず、パソコンやスマートフォンからインターネット接続で「YouTube」「Netflix」「Amazonプライム」等の動画コンテンツを楽しみ、仕事の面でも「Zoom」をはじめとしたオンライン会議ツールを使用する人が増加。「Instagram」「TikTok」など、画像や動画を中心としたSNSでのコミュニケーションも当たり前の風景となっています。今やインターネットは特別な設備ではなく、電気・ガス・水道と同じ生活に不可欠なライフラインのひとつと考えるべきでしょう。

増える在宅時間に住み心地向上策で応える

生活スタイルの変化に伴う「暮らしの質」へのニーズも無視できません。入居者の在宅時間はこの数年で大きく増加し、これに比例して賃貸住宅にも「住み心地の良さ」が求められることに。順位を上げた「追いだき機能」など、入居者の”おうち時間の充実“を後押しできるような住宅設備には注目が集まります。

また、住み心地の改善策として、改めて注目されるのが「防音」です。テレワーク導入企業の増加やインドア系趣味の流行によって、賃貸住宅はますます音に敏感な場所となりつつあります。増加傾向にある入居者間の騒音トラブルは、今や物件運営上の大きなリスク。既存物件ではできる対策も限られますが、例えば、部屋の窓への「内窓」の後付けは、防音性能とともに断熱性能も改善できる一石二鳥の対策としてオススメです。とはいえ、音の問題は小手先の対策だけで解決できるものでもない以上、新築やリノベーションの機会には防音性能に気を遣った設計に挑戦したいものです。

生活の質の向上策としては、「食」の改善も有効です。ランキング常連の「システムキッチン」「ガスコンロ」のほか、賃貸では供給の少ない「ビルトイン食洗器」や「タッチレス水栓」など、流行を先取りしたキッチン設備の導入も訴求力アップに効果的です。

そのほか、近年の自転車ブームやキャンプブームを捉えた「土間収納」、車・バイク好きにはたまらない「ガレージ」、読書家にフォーカスした「壁面書棚」など、ニッチな収納設備で住み心地アップや暮らし方提案を図ることも差別化に有効でしょう。

毎日の暮らしに安心感、防犯設備ニーズも拡大中

年々高まる入居者の防犯ニーズにも応えたいものです。暮らしに安心感を求める入居者にはセキュリティ性能のアピールが欠かせません。また、適切な防犯設備の導入は成約時だけでなく、入居後の満足度アップにも効果を発揮します。

中でも王道は「防犯カメラ」。見た目の威圧感で物件の監視体制をアピールし、犯罪抑止に役立ちます。コストの面で設置を見送る方も見られますが、最近は「ネットワークカメラ」などの安価な防犯カメラも普及し、簡易防犯やペットの見守りのために個人で設置するケースも増えています。Wi-Fi接続できるタイプのカメラなら配線工事も容易で、手間なく安価に設置可能です。

同様に、個人レベルで設置数を伸ばしているのが「スマートロック」です。インターネットに接続した玄関錠で、スマートフォンによる鍵の開閉操作を可能にします。近づくだけでの自動解錠や、デジタルキーのシェアなど、最先端の暮らしを実現できるアイテムとして数年前から市場規模が拡大。昨今は施錠忘れの防止や、子どもの帰宅の見守りといった現実的な防犯ツールとしても人気で、今後ますますの普及が見込まれます。

入居者ニーズは時代とともに変わる以上、過去の施策で十分と決めつけず、常に差別化の可能性を探り続けることがお部屋づくりには重要です。当ランキングをはじめ、集客のヒントとなる情報には目を光らせ、適切な設備の導入によって競合物件と戦える実力を維持していきましょう。